印象ミニレポート

第1回 大岩神社
堂本印象が寄進した大岩神社の鳥居を訪ねました。
京阪藤森駅で下車し、大岩街道を東へ歩いて約30分ほど進むと、大岩山の登山口であり大岩神社の参道の入口があります。
赤い鳥居と、大きく大岩神社と彫られた石柱、そのそばに数日前に設置された真新しい木製の由来の立札が誇らしげに建っています。

数年前までは心ない人達の産業廃棄物の不法投棄によりゴミの山と化し、人々を遠ざけていた為、京都市伏見区役所深草支所、地域の人々により取りのぞかれ、竹林等整備され、塵一つ落ちていない綺麗な山に戻されたのです。トレイル道も出来ています。
車の往来が多い街道から少し入ると別世界、大きく育った竹の林を縫って自然のままの山道になり、ほっとする。やがて鯉のいる池もあり「じゅんさい」も取れたそうです。台風で倒木が多く道が狭くなっている所は補強され、安全に歩ける様になっていました。

しばらくすると雑木林になり、小さな塚や鳥居が多く見られ、やがて社が二つ現れます。一つは御神水といわれる山の流水の滝が細く落ち、もう一つはお稲荷さんの様なおごそかな場所の前に、印象の[第一]の大鳥居が建っています。「大きい」それは鳥居と云うより彫造物(オブジェ)で印象晩年の抽象的な文様、女神、動物がぎっしり、二本の角柱には左はお地蔵様、右は毘沙門天と思われる神像があり、それぞれ独立した石仏の様で大へん立派な、じっと見ていたい鳥居。「もったいないなあ」もっと多くの人に見てもらいたい。でも、冬枯れの木々の間からうぐいすの小供であろうか舌たらずの鳴き声のひびく静寂の中にしっくりと溶け込んでいました。


石段と少し急な山道を登ると本殿に着き、山頂に近い所に、小さめのすっきりした印象の[第二]の鳥居があります。
大岩神社の御神体は大岩(男神)小岩(女神)で拝殿の後に祀られていて、何故そこにあるのかは、山火事で古文書が焼け分からないとの事ですが、病気平癒に霊験あらたかな神で昔は他県からも参拝者が訪れ賑わっていたそうです。堂本印象は幼い頃から病弱で、印象のお母様も我が子の健康を願われ簡単には行けない山に通われたのではと思われます。印象の神仏への信仰とお母様への感謝の表われが鳥居の形で今に残された事、深く感動しました。そしてその鳥居を長い年月で苔やほこりで汚れていたのを関係者の方々が隅々まで拭き取って下さり、元の美しさに蘇らせて下さったのです。本当に有難い事です。
トレイル13番から右に進むと展望台も作られていました。愛宕から天王山まで行儀よく並んでいる様子や桃山城も見えるとてもよい眺めです。
大岩山は子どもから年輩の人でもゆっくり歩けば充実したハイキングコースであり、気持ちよい山歩きや印象の鳥居も見ていただける素晴らしいコースです。
終わりに事前に資料や沢山のことを教えて下さいました京都市伏見区役所深草支所地域力推進室まちづくり推進担当の方、みのりのあるものとなりました。有難うございました。 

アクセス 
京阪藤森駅→登山口 徒歩30分位
登山口→山頂 徒歩30分位
○展望台まで直通の車道もあります。
○地下鉄竹田駅より醍醐行京都京阪バスも出ています。 深草谷口町下車 1時間に1本程度

京都府立堂本印象美術館
ボランティアスタッフ 
執筆:山口/ 撮影:山口、芦田
【2017年4月20日】
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