印象ミニレポート

第3回 奈良ホテル
印象ミニレポートも3回目となりました。

今回訪ねたのは奈良ホテル。奈良ホテルは明治時代に創設され、関西の迎賓館とも言われました。建物は和洋折衷のスタイルで、国賓・皇族の方々をはじめ、数々の著名な方が宿泊されています。昭和58年には、あのオードリー・ヘップバーンも泊まられたそうです。
このホテルに印象の作品が4点あります。ホテルの玄関をくぐると、深紅の絨毯(じゅうたん)が広がり、その先、右前方の“桜の間”に印象の作品が1点飾られています。

《神路山》
タイトルは《神路山(かみじやま)》。神路山とは三重県にある伊勢神宮の南方にある山を指すと考えられます。よくみると絵の上の方に伊勢神宮の屋根のようなものが描かれています。全体的に淡い色づかいで、水辺の木々にほんのり赤色や黄緑色がぬられています。写真では写しきれませんでしたので、ぜひ実物をご覧くださいませ!

この作品が来た経緯を伺いました。当時の奈良ホテルを経営していた鉄道院(のちの鉄道省)が購入し、このホテルに来たのは昭和15年2月だそうです。

この頃の印象は、母校である京都市立絵画専門学校の教授として活躍しており、京都画壇の中心的な役割を果たしていました。また、奈良の信貴山成福院、京都の醍醐三宝院純浄観、和歌山の高野山金剛峯寺などの有名寺院の障壁画を手掛けた時期でもあります。

後進の育成に力を注ぎつつ、宗教画家としても活躍の場を広げていた印象。その時期に描かれた作品の一つが《神路山》です。
この作品の他にも3点の絵画があります。しかし、一般公開されているのは《神路山》のみとお聞きしました。ちなみに《風景画》、《春日山》は宴会場に、《畝傍山(うねびやま)》はインペリアルスイートにそれぞれ飾られています。どれも素晴らしい絵で、特に《春日山》の鹿がとても可愛らしく、印象に残っています。
《風景画》

《春日山》

《畝傍山》
他にも日本を代表する美術家の作品が、たくさん飾られていますので、美術館に来たような気分を味わえます。

堂本印象は京都と深いつながりをもち、さらには奈良とも縁のある美術家だったようです。またひとつ堂本印象の魅力を知ることができました。
今度はどのような印象に出会えるのでしょうか。次回の印象ミニレポートも楽しみにお待ちくださいませ。

最後になりましたが、お忙しい中ご協力頂いた奈良ホテルの方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。


アクセス 
・JR奈良駅から奈良交通バス(東口1番のりば)で約15分→奈良ホテルで下車。
・近鉄奈良駅から奈良交通バス(3番のりば)で約8分→奈良ホテルで下車。
 反対車線側にホテルの門があります。本館まで徒歩1分。
*徒歩の場合は、JR奈良駅から約25分、近鉄奈良駅から約15分。

京都府立堂本印象美術館
ボランティアスタッフ 
執筆:橋本/撮影:橋本、野間
【2017年8月28日】
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