印象ミニレポート

第5回 御倉屋
甘党であった堂本印象御用達のひとつ、菓匠「御倉屋」さんを訪ねました。

「御倉屋」さんと印象のご縁は昭和21年創業当初からとのこと。
創業者の後藤常三さんとの出会いがきっかけでした。
永いお付き合いという事もあり、たくさんの印象作品をお持ちでした。
まずは扁額。想像していたよりも繊細な感じの文字でしたが、お店に飾られていると主張しすぎず、それでいてありきたりではない感じが素晴らしいなと思いました。
そして、掛け紙。昭和25年大徳寺塔頭大慈院でお菓子の個展が開かれた折に記念として倉の絵が贈られ、その絵が掛け紙にあしらわれて今も使われています。(参考:後藤常三著「歴々着到」)
季節ごとにお店の床の間を彩る額。
(印象以外の画家も含め、こまめに掛け換えるそうです。)

「春の水」
淡いピンクの桜、ほんのりその色を写す魚と水の流れまで描かれています。
「薔薇」
とてもモダンな絵で印象の多彩な表現力を感じました。

「秋」
抽象画の雰囲気があり、お店にマッチしていました。
生涯において様々な作風の絵を描いた印象、御倉屋さんにある印象作品も様々な作風のものがあり、それぞれ魅力があふれていました。

お店の商品を紹介するしおりには「ぬれつばめ」と言う懐中しるこについて【近頃の老舗のように射利的量産せず、気品高雅、風味満点。市販の遠くおよぶところでない。】という印象のコメントが載っています。
創業者の後藤常三さんが印象の自宅にお菓子を持って訪れると「ちょっと待っとき」と言ってさらさらっと絵を描いて渡されたそうで、このエピソードをお聞きしたり、お菓子についてのコメントを見ると、職人である常三さんと芸術家である印象とは何か通じ合うものがあったのではないかと思いました。
そして、印象主宰の画塾「東丘社」の展示会の時にお菓子を納められたこともあったそう。
長兄の女婿である堂本元次とも親交があったそうで、元次作品の額は時々お店に掛けられるようです。
義弟である三輪晁勢の作品は毎年5月頃にお店に飾られます。
今回の取材では、当時と変わらないお菓子と共に作品を見せて頂き、印象を身近に感じてお店を後にしました。

最後になりましたが、取材時にたくさんの作品をご用意下さったり、お忙しい中色々なお話をして頂きました御倉屋さんのおかみさんにこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。


アクセス 
・市バス46系統「大宮交通公園」下車徒歩すぐ

お菓子は予約がおすすめです。

京都府立堂本印象美術館
ボランティアスタッフ 
執筆:野間/撮影:野間、小西
【2017年12月4日】
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