印象ミニレポート

第7回 東福寺
今回、東福寺本堂の天井画『蒼龍』について取材を行いました。天井画は縦22m×横11mの大きさで、体長55mの巨大な龍が墨で描かれています。普段は本堂に入ることは出来ないのですが、今回取材のために特別に本堂に入り近くで作品を拝見させていただきました。天井を見上げると一面に作品が広がりその大きさにはもちろん驚いたのですが、何より蒼龍の迫力に感動しました。
手には直径1m65pの宝珠を握り、角が鋭く、雲の間を通るように描かれることで大きさや迫力をより引き立てています。墨の使い方が非常に素晴らしく、鱗が細かく描かれ胴部の特徴がはっきりでています。蒼龍の眼を見ていると眼をそらすことが怖くなる程の眼力を感じました。
本堂を守り修行を厳しくも優しく見届ける守り神のような存在感がありました。年に1回東福寺の僧侶により蒼龍に向けて法要が行われています。
お寺の方によると、龍は仏の教えを助ける八部衆の一つで龍神と呼ばれ、多くの本山では住職が仏法を大衆に説く法堂(本堂)の天井に龍が描かれ、それが法の雨(仏法の教え)を降らすという意味があるとされているそうです。さらに、幾度の落雷や火災にあった本堂を守るため水を司る神である龍神が描かれたとも考えられています。
落雷や火災の被害をうけた本堂の再建を行うのに合わせて、障壁画家として名高い印象に天井画を依頼されたそうです。作品は昭和8年7月23日〜8月8日の16日間という短い期間で描きあげられました。お寺の方に制作の際のエピソードも伺いました。制作時大量の墨を必要とするため毎日朝から夕方まで東福寺の十数名の雲水や小僧さん達がバケツ3,4坏の墨を磨り続けていたそうです。
仏殿・仏像を安置する壇である須弥壇の高さに足場をつくり、そこに幅1m30pの板を並べ作品を描いていたそうです。高さのある所で書いていたことが理解できます。
当時の新聞記事には、毎日数回9mの高さから作品全体を見て均整をとえることに努めていたと記されていました。修復作業などは一切行われておらず当時の姿のまま現存しています。作品の左隅には「恒世印象」というサインが書かれています。
普段は本堂に入れないのですが、本堂正面から覗いて作品を見ることができます。年に1回3月には通常公開していない「大涅槃図」を御開帳するのに伴い、この期間中は一般の方も本堂を拝観できるように特別公開されています。是非この機会に蒼龍の迫力を近くで感じてみてください!
 取材の際お世話になりました広報ご担当の方と東福寺様のご協力に心から感謝致します。
アクセス 

【阪急電車】阪急河原町(徒歩約7分)→京阪祇園四条(京阪本線 約5分)→京阪東福寺→徒歩約10分
【JR・市営地下鉄】各線 京都(JR奈良線約3分)→JR東福寺→徒歩約10分
【京阪電車】京阪東福寺→徒歩約10分 / 京阪鳥羽街道→徒歩約8分
【バス】 京都駅(市バス88・208系統 約15分)→バス停東福寺→徒歩約4分
     四条河原町(市バス207系統 約19分)→バス停東福寺→徒歩約4分
     東山三条(市バス202系統 約18分)→バス亭東福寺→徒歩約4分
     祇園(市バス202・207系統 約14分)→バス亭東福寺→徒歩約4分
◎自転車・バイク・車で行くことも出来ます。
※駐車・駐輪場はスペースに限りがありますのでお停めいただけない場合がございます。
  公共交通機関のご利用をお願いします。

京都府立堂本印象美術館
ボランティアスタッフ 
執筆:田中/撮影:田中、芦田
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