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風景へのまなざし 西・東-憧れの欧州紀行
堂本印象は、1891(明治24)年に京都に生まれ、1918(大正7)年に京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入学しました。翌年の第1回帝展に「深草」で初入選を果たし、はやくも画壇に登場します。在学中から京都画壇の重鎮西山翠嶂に師事し、「調鞠図」(第3回帝展特選)、「華厳」(第6回帝展、帝国美術院賞)など次々と話題作を発表して画壇に確固たる地位を築きました。また、画塾東丘社を主宰、母校の京都市立絵画専門学校で教鞭を執るなど後進の指導にも力を尽くし、1961(昭和36)年には文化勲章を受章、1975年に亡くなるまで近代日本画壇を代表する一人として活躍しました。
印象の表現は、日本や東洋の古典に西洋画を取り入れた具象絵画から、戦後には抽象絵画へと幅広い展開を遂げました。こうした具象から抽象へという表現形態の展開の裏には、1952年、印象61歳の時に経験した渡欧が大きな契機であったといえるでしょう。
渡欧した印象は、訪問国で目にした風景を数々のスケッチ、水彩画、油彩画に残し、これらの作品を帰国直後に「滞欧スケッチ展」として発表しました。また、その後この体験を『美の跫音』(1955)として一冊の本にまとめました。本展では、印象の経験した欧州紀行の足跡を、渡欧前の日本の風景画とあわせて紹介し、渡欧前後の表現の広がりを紹介します。
会期中(2009年2月3日~3月8日)、東寺小子房襖絵「渓流に鶴」を特別展示します。金地を背景に鮮やかな緑青で描かれた岩山から勢いよく流れる水、そして凛々しく立つ鶴は、観る者を優雅な世界へと誘います。この機会にぜひ印象作品の深い伝統に根ざした作域をあわせてご鑑賞ください。
- 企画展
- 風景へのまなざし 西・東-憧れの欧州紀行
- 会期
- 2008年12月5日(金)~2009年3月8日(日)
- 休館日
- 月曜日(休日の場合はその翌日)
- 開館時間
- 午前9時30分 ~ 午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 入館料
- 一般 500円(400円)、高大生400円(320円)、小中生 200円(160円) ( ) 内は、20名以上の団体料金
- 主催
- 学校法人立命館、京都府
Event
■関連企画
【土曜美術茶論】
2008年12月6日
「連関する画家・場所・建築」 ※終了
中川理(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授)
■時間=10:30~12:00
■場所=堂本印象美術館別館和室
■定員=先着30名(事前申込不要)
●聴講無料