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次代に向けて~新造形作品を中心に

「一切の過去的なものから手を切らない限り真の創造ではないし、明晰な意識の上に立つ伝統の否定こそ真の伝統であると。長年の経験と信念からそういうことが出来る・・」
 不退転の決意のもと、戦後の堂本印象は、作風を洋画風表現、そして抽象表現へと、大きく変貌させました。これらの作品群を、印象はやがて自ら「新造形」と称する様になりますが、花鳥風月から仏画まで、あらゆる伝統的な画題を華麗に描き、流行作家としてもてはやされた画家の大胆な転身は、否が応にも世間を戸惑わせました。
 しかし、たとえ抽象的な主題でも、印象の作品には、情感溢れる墨線、日本画特有の素材である紙本や顔料の微妙な風合や色合があふれています。つまり、様々な表現の果に印象が確立した独自の表現は結局、日本美術の特質とでもいえる装飾性とクロスオーバーするものであり、まさに伝統を否定しながら伝統に立脚したものであったといえるのでしょう。
 本展では、多くの先達から学び得た伝統を、印象はどのように次代に伝えようとしたのか、印象の画業の後半部を展観し、今なお斬新なその表現を省みるとともに、各作品に潜む伝統を探ります。

会期
2002年12月10日(火)~2003年3月16日(日)
休館日
毎週月曜日(ただし休日の場合は、その翌日が休館。)
年末年始 12月28日(土)~1月4日(土) 
開館時間
午前9時30分 ~ 午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料
一般 500円(400円)、高大生400円(320円)、
小中生 200円(160円)
() 内は、20名以上の団体料金

Event

■ 列品解説
 1月26日(日) 午後2時から 当館学芸員による作品解説