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~象を徴す(かたちをあらわす)~堂本印象の非具象絵画

 昭和30年頃から堂本印象は、日本画としては類を見ない、非具象的な絵画を続々と発表し始め、世間を驚愕させることになります。そればかりではなく、目まぐるしく表現方法や対象を変貌させた従前の作品と同様に、様々な試みを取り入れることをも躊躇いませんでした。「日本画は一見形象をもって表現しますが、この形象が常に作者の心を物語るものでなければなりません。心を表現するために形象を借りて自然物なり対象物なりの姿を通して筆者がその精神を伝えるのであります(堂本印象『看心有道』・昭和12年)。」様々な表現によりあらゆる対象を描き続けてきた印象が、今度は色と形象だけにより、その精神を示そうとしたのです。一見不可解なそれらの作品群も、具象、非具象の概念を離れ、より象徴的なものとしてとらえて見ると、作者の心により近付けるのではないでしょうか。西欧で生まれた非具象絵画という手法を採りながらも、印象は、自らを培ってくれた有形無形の日本的なものを蔑ろにしたわけではなかったからです。
 本展は、日本画における抽象という未到の地に入っていった印象の新たな表現を紹介します。

会期
2001年11月27日(火)~2002年3月10日(日)
休館日
月曜日(休日の場合はその翌日) 年末年始 12年28日(金)~1月4日(金)
開館時間
午前 9時30分→午後5時(ご入館は閉館30分前まで)
入館料
一般500円(400円)/高大生400円(320円)/小中生200円(160円)
※消費税込み ※( )内は団体20名様以上の割引料金

Event

■列品解説
2002年1月20日(日) 午後2時から  
当館学芸員による作品解説 (入館料のみ必要)